蜂から広がる、人と地域のつながり

私たちhaishopが活動拠点とする東京都千代田区。

千代田区は、日本の政治・行政の中心地であり、

日々、多くの人が働き、学び、訪れる街です。

      

居住者数は周辺の区と比べて多くない一方で、在勤・在学する人が多く、

昼と夜とで街の表情や人口が大きく変わるという特徴があります。

     

多様な人や組織が集まり、

それぞれの立場からより良い社会の実現を目指して活動するこの街には、

人と人が出会い、新たなつながりや価値が生まれる

大きな可能性があると私たちは感じています。

     

そんな千代田区で福祉施設を運営している

「社会福祉法人武蔵野会(以下、武蔵野会)」。

武蔵野会は、自分を大切にするように他人を大切にする活動を通じて、

互いに尊重し、理解し合う社会の基盤づくりに貢献するために、

福祉サービスを通じて、「共生社会」の実現を目指しています。

また武蔵野会では、一人ひとりがお互いに人や社会との関係性がより深まり、

普段の暮らしのしあわせが実現できる社会の実現に取り組んでいます。

     

障がいの有無や年齢、性別といった違いを越えて、

すべての人が同じ社会に生きる一人の人間であるということを知り、

学び、気づくことを大切にしながら、「その人らしい生き方」や

「一人ひとりの生きる道」を互いに認め合い、

ともに生きる社会の実現を目指すために

地域のさまざまな行事の企画や講習会の開催、

日々の取り組みの発信などを通じて、

地域との接点を生み出す活動にも積極的に取り組まれています。

     

蜂を通して生まれた、私たちのつながり

     

私たちhaishopのメンバーは、武蔵野会の活動のひとつである

「養蜂活動」を通して出会い、

現在はボランティアとして定期的に活動に参加しています。

     

武蔵野会では、明治大学 大森ゼミの皆さまのご協力のもと、

明治大学の屋上を活用した都市型養蜂プロジェクトが行われています。

千代田区周辺には、皇居や日比谷公園をはじめとする豊かな緑があり、

都心でありながらミツバチが蜜を集めることのできる環境が広がっています。

その都市ならではの環境の中で育まれたミツバチから採れた蜂蜜は、

「和花 -nodoka-」として届けられています。

     

     

さらに、この蜂蜜は武蔵野会の障害者就労支援施設において、

瓶詰めやラベル貼りなどの作業が行われており、

障がいのある方々の就労支援にもつながっています。

ひとつの養蜂活動が、蜂蜜を生み出すだけでなく、

地域の中での新たな役割やつながりを生み出しているのです。

     

蜂がつないでくれた、人と人

   

養蜂活動に参加すると、

武蔵野会の職員の皆さま、養蜂家の先生、

明治大学の大森先生や学生の皆さんに、

私たちと同じボランティアの方など、

さまざまな立場の人たちが同じ場所に集まっていることに気づきます。

年齢も、所属も、背景も異なる人たちが、

「蜂」という共通の存在を通して出会い、語り合い、ともに活動する。

そこには、日常の中では生まれにくい、人と人との新しい関係性が生まれています。

ミツバチは、私たちの食を支えるうえでも欠かせない存在です。

多くの農作物はミツバチをはじめとする昆虫の受粉によって支えられており、

ミツバチは生態系と食の循環において重要な役割を担っています。

明治大学の屋上を飛び交うミツバチもまた、植物の受粉を担うだけでなく、

そこに集う人々をつなぐ存在として、もうひとつの役割を果たしているように感じます。

     

人と都市と自然が、ともに生きるために

    

一方で、ミツバチを取り巻く環境は決して安定しているわけではありません。

生息環境の減少や気候変動、寄生虫、そして農薬など、さまざまな要因によって、

世界的に花粉媒介者を取り巻く環境は変化し続けています。

私たちは、ここで出会った人たちとともに、

ミツバチやそこから生まれる蜂蜜を通して、

「人と都市と自然がどのように共生していけるのか」を

考えるきっかけをつくっていきたいと考えています。

それは単に自然を守るということではなく、

違いを越えて互いを知り、関わり合いながら、

ともに社会をつくっていくことでもあります。

     

その小さなつながりの積み重ねが、やがて地域を変え、

社会を変える力になるのではないでしょうか。

政治や行政の中心である千代田区には、

日本中からさまざまな人や情報、思いが集まります。

だからこそ、この街で生まれる一つひとつのつながりや取り組みが、

千代田区にとどまらず、

日本全体へと広がる新しい変化のきっかけになっていくことを願っています。

                        

私たちの活動拠点であるレストラン「KIGI」では、

毎月“8”のつく日にこの千代田区産蜂蜜を提供したり、

ウェディングや企業パーティの料理に活用するなど、

小さな一歩からこの取り組みを広げています。

私たちは、こうした活動をここ千代田区から少しずつ育てていきたいと考えています。

     

鮮魚のカルパッチョ  かぼすと千代田区産はちみつのドレッシング
毎月”8”のつく日の朝食は、千代田区産はちみつ提供の日

人と人がつながり、人と都市と自然がつながる。

その小さなつながりが、いつか日本を動かす原動力のひとつになることを願って。